2重奏と言えば、音楽の世界ならば2人の演者がともに演奏するものです。
ピアノとピアノのような同じ楽器の場合もありますし、
ピアノとバイオリンのように違う楽器の場合もあり、その組み合わせは多種多様です。
各々が各々の役割をしっかり演じて、素晴らしい演奏となります。
同じことを日本酒で考えてみたらどうでしょうか。
それぞれの演者(お米)が各々の役割をしっかり演じれば、素晴らしいお酒になるはずです!
今日は、そんな演者(お米)が各々の役割をしっかり演じている1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「伝心 稲 純米」について
「伝心 稲 純米」については福井県一本義久保本店様の商品となります。
以下スペックです。
「伝心 稲 純米」
- 原材料名:越の雫※1 さかほまれ※2
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):65%
- アルコール度数:16度
ラベルよりデータを参照
※1 越の雫とは、福井県の酒造好適米です。粒が大きく優しい甘みとみずみずしさが特徴です。飯米としても食べられています。
※2 さかほまれとは、福井県の酒造好適米です。越の雫と山田錦を交配させた品種です。上品な香り、柔らかい口当たり、上品な旨味が特徴です。大吟醸酒など高級酒に合うようです。
スペック的にはちょっとアルコール度数が高めの純米酒ですが、
特徴としては、福井県の酒造好適米2種を使用したお酒のようです。
越の雫はみずみずしさ、さかほまれは上品さが特徴で、個性が違いますが、
それぞれ福井県が誇る酒米で、福井県のお酒の神髄を楽しむことができそうです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、優しいフルーツの香り!
ちょっと酸味があるリンゴのような、フルーツの甘酸っぱさを感じます。
柔らかいお米の香りもほのかに感じます。
そして、何か平坦でなく香りが立体的で奥行きを感じるのは、
2種類のお米を使用しているからでしょうか。
そのままお酒を口に運んでみると、優しい口当たりからの優しいお米の甘みを感じます。
その甘みからだんだん、爽やかな乳酸の酸味、しっかりしたお米の旨味に変わっていきます!
なるほど!
一本義久保本店様のHPの言葉を借りると、これが「豊」×「爽」の旨味2重奏なのですね!
まとめ
今回は、
2重奏を奏でるお酒「伝心 稲 純米」を飲んでみました。
香りも味も基本的に優しく爽やかなお酒ですが、実はしっかりしたお米の旨味も持っている
二面性のあるお酒でした。
「豊」×「爽」の旨味2重奏はお見事でした!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「伝心 稲 純米」は、
優しいフルーツの香りが主であり、
華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプとなります。
フルーツの香りは優しく、お米の香りもほのかなため、弱めに評価しました。
味も基本的に優しく爽やかですが、
実はしっかりしたお米の旨味を持つ二面性があり、普通に評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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