日本酒の酵母には、優秀と認められ、日本醸造協会から頒布される協会酵母というものがあります。
こちらの協会酵母は、
明治時代から、新酒鑑評会などのコンクールで優秀な成績を収めた酒造から採取し、培養されて、
日本中の各酒造が、自分達の造りたいお酒に合わせてどの酵母を使用するか選択していきます。
もちろん酵母はそれぞれに個性があり、どの酵母を使用するかにより風味はガラリと変わってきます!
今日は、そんな協会酵母の1つである10号酵母にこだわった1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「栄光富士 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯」について
「栄光富士 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯」については山形県富士酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「栄光富士 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯」
- 種類:純米吟醸(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):50%
- アルコール度数:16度
- 酵母:協会10号酵母※1
- 生貯とは、生貯蔵酒のこと。普通のお酒は貯蔵前と出荷前の2回火入れ(消毒殺菌と酵素の失活のため)を行いますが、生貯は貯蔵前の火入れを行わず、出荷前の火入れ1回のみです。そのため、生酒ほどではないですが生酒の風味を楽しむことができます。ただ、火入れが1回のみのため、劣化しやすく要冷蔵となります。
ラベルよりデータを参照
※1 協会10号酵母とは、東北の酒造から採取された酵母です。優秀な酵母と認められ、日本醸造協会で頒布されています。特徴は酸味が少なく高い吟醸香を出すため、吟醸酒に向いています。ただ、アルコール耐性が弱い酵母のため、取り扱いは難しいです。
生貯の吟醸酒のため、生酒の青い香りとフルーティな香りを楽しめそうです!
また、富士酒造様は協会10号酵母にこだわりがあり、
酵母のよさを上手に引き出すのに長けているので、どのような風味になるか楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、やはりフルーツの香り!
生酒ほどではない軽い青い香りと合わさり、青リンゴの爽やかで甘酸っぱい香りとなっています。
柔らかいお米の香りもほのかに感じます。
そのままお酒を口に運んでみると、
柔らかい舌触りで、優しいフルーティな甘み、酸味がだんだんと出てきます。
上品でフレッシュな青リンゴジュースのような風味で、爽やかにスーっと入っていきます!
後味は、フルーティな酸味と酵母由来、生貯由来の苦みがじわじわ残っていきます。
軽い前菜に合わせるのがうってつけのお酒ですね!
まとめ
今回は、
協会10号酵母へこだわるお酒「栄光富士 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯」を飲んでみました。
取り扱いが難しい協会10号酵母にこだわる酒造だけあって、
協会10号酵母の特徴である高い吟醸香をしっかり使ったフルーティなお酒でした。
生貯にしてほんのり青い香りも追加し、青リンゴの爽やかさが表現されています!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「栄光富士 純米吟醸 朝顔ラベル 生貯」は、
フルーツの香りと青い香りが合わさった、青リンゴのような香りがあり、
華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプとなります。
フルーツの香りは強すぎず、爽やかさもあるため、弱めに評価しました。
味も柔らかく上品な青リンゴジュースのようで爽やかに飲み続けられるため、弱めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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