その土地のお水、その土地で獲れたお米、その土地に住み着いた酵母
流通が発達していなかった時代は、違う地域の産物は手に入りづらく、
それが当たり前だったと思います。
それゆえ、そのように造られたその土地の高純度なお酒を飲むと、
その地方の風景、生活等が思い浮かぶのかもしれません。
今日は、そんな地元純度が高く、その土地が見えるような地酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「浜千鳥 特別純米」について
「浜千鳥 特別純米」については岩手県株式会社浜千鳥様の商品となります。
以下スペックです。
「浜千鳥 特別純米」
- 原材料名:吟ぎんが※1
- 種類:特別純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):55%
- アルコール度数:15.6度
- 酵母:自社酵母
ラベルよりデータを参照
※1 吟ぎんがは岩手県の酒造好適米です。大粒で厚く米内の芯(心白)の発現率が高く、綺麗でスッキリしたお酒になりやすいです。
お米に吟ぎんがを使用し、精米歩合から結構お米は磨かれているので、
淡麗で綺麗な純米酒といった感じでしょうか。
使用酵母が一般的に使われる協会酵母等ではなく、自社酵母ということで
その酵母がどのようなお酒を造っているのか楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、ヨーグルトの甘酸っぱい香り!
どうやら乳酸は強めですね。
お米の香りはうっすら程度で、ヨーグルトの香りにマスクされています。
そのままお酒を口に運んでみると、滑らかな口当たり!
精米歩合が低めでよくお米を磨いているため、純米酒ながら、雑味が少なく飲みやすいです。
香りと同様に、乳酸によりお米の風味がマスクされているのか、ほのかなお米感です。
そして、鋭く強い苦みを感じます。
苦みの要素的に自社酵母由来くらいしか考えられないので、苦みを出す酵母なのでしょうか。
後味は、乳酸の酸味と鋭い苦みが軽く残っています。
ノコギリの刃のように入り組んだ三陸海岸のリアス式海岸の鋭さを、
この苦みで表現しているのでしょうか。(考えすぎかも。。)
まとめ
今回は、
その土地を表すお酒「浜千鳥 特別純米」を飲んでみました。
ヨーグルトの香りが強いが、綺麗な淡麗辛口なお酒でした。
それと、地元の三陸海岸の鋭い海岸線を表すような苦みが特徴的でした!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「浜千鳥 特別純米」は、
乳酸由来のヨーグルトの香りが主であり、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
お米の香りはほのかで、乳酸の香りもそこまで強くないので、弱めに評価しました。
味は、吟ぎんが、精米歩合の影響で綺麗な淡麗辛口ですが、
乳酸の酸味、自社酵母由来?のするどい苦みがあるため、普通に評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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