日本酒には、純米酒、吟醸酒、本醸造酒以外の種類があるのを知っていますか?
いわゆる特定名称酒の基準を見たさない「普通酒」です。
紙パックで販売しているリーズナブルなお酒が多いので、
質的によくない日本酒と思っている人も多いと思います。
しかし、中には普通酒でも特定名称酒並の個性を持つお酒もあります。
今日は、そんな普通酒だけど特定名称酒に負けない風味のある1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「賀茂鶴 冷温蔵生囲い」について
「賀茂鶴 冷温蔵生囲い」については広島県賀茂鶴酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「賀茂鶴 冷温蔵生囲い」
- 種類:普通酒※1
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):69%
- アルコール度数:15度
- 特記1:生囲いとは、お酒を絞った後に火入れをせず生のまま貯蔵し、出荷時に火入れを行う「生貯蔵」と同じ製法です。生酒ほどではないですが、生酒の風味(青い香り等)は残ります。
ラベルよりデータを参照
※1 普通酒とは、純米酒や吟醸酒や本醸造酒などの特定名称酒の基準を満たさないお酒です。今回のお酒の場合、①醸造アルコール添加している→純米酒でない②吟醸造りではない→吟醸酒でない③醸造アルコールが総重量の10%を超える→本醸造酒でない、のため、特定名称の基準を満たしてないと思われます。その他の条件として、お米の等級(3等未満)、麹の使用割合が15%未満があります。
今回のお酒は普通酒です。
純米酒や吟醸酒等の特定名称酒の基準を満たさないお酒ということですね。
コンビニ等で売られている紙パックのお酒の多くも、この普通酒に分類されます。
基本的に特定名称酒よりリーズナブルですが、香りや味に違いはあるのか
確かめていきたいと思います!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、強めの乳酸の香り!
ちょっとフルーツの香りと生貯蔵由来の青い香りもありスッキリもしますが、
だいぶヨーグルトの風味が強いお酒のようです!
そのままお酒を口に運んでみると、
広島のお酒なので軟水で舌触りは柔らかいと思ってましたが、割と固め。
精米歩合が高めのため、お米の粒感が大きめなためでしょうか。
お米の風味は軽めで、
香りと同じく、乳酸の酸味が強めでヨーグルトな印象です!
後味は、乳酸の酸味が強い影響か、綺麗にスっと切れていきます。
ちなみに、普通酒は燗が合うということでちょっと燗もしてみました。
ぬるめの燗では、柔らかくなり、乳酸のボリューム感が強くなり、
口内で分厚い酸味が膨らんでいきます。
後味に柔らかい苦み(おそらく生貯蔵とアルコール由来)が出てきて、
全体的にふんわり柔らかいイメージでした。
熱めの燗では、乳酸の香りは強くなりましたが、
全体的に水っぽく物足りなくなってしまいました。
後味に強い苦みが出てきて、ちょっと残念なイメージでした。
まとめ
今回は、
ヨーグルト風普通酒「賀茂鶴 冷温蔵生囲い」を飲んでみました。
フルーツの香り、青い香りを持つヨーグルト風味なお酒でした。
乳酸の酸味が強く、ヨーグルト風ながら後味は綺麗に切れるので、
割とスッキリ飲めるお酒ですね!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「賀茂鶴 冷温蔵生囲い」は、
お米の香りが主であり、昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
乳酸の香りが強めですが、フルーツ、青い香りでスッキリもしているため、普通に評価しました。
味は、香りと同じく強めの乳酸でヨーグルト風味ですが、
綺麗にスっと切れるため、普通に評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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