現在は大量生産大量消費の時代かと思います。
どんどん造ってどんどん消費する、モノがあふれる現代では当然必要なことです。
ただそんな中でも、ほぼ機械化せず職人が手作りで造っているこだわりのモノもまだまだあります。
どちらが正しいというわけではなく、どちらも適材適所で必要なことだと思います。
日本酒の世界でも、機械化により大量生産を行う酒造もありますが、
杜氏が長年の経験と技術で手作りしている酒造もあります。
今日は、そんな手作りにこだわりを持つ1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「貴仙寿吉兆 純米吟醸」について
「貴仙寿吉兆 純米吟醸」については奈良県奈良豊澤酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「貴仙寿吉兆 純米吟醸」
- 原材料名:五百万石※1
- 種類:純米吟醸(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):60%
- アルコール度数:15度
- 酵母:K1801(協会18号酵母)※2
ラベルよりデータを参照
※1 五百万石は酒造りによく使用される酒造好適米(使用量2位)。繊細でスッキリ端麗な風味になりやすいです。米内の芯(心白)が大きいため、低精米歩合(50%以下)には向かないので、高級酒には不向きです。
※2 協会18号酵母とは、熊本酵母より強く華やかなリンゴ系の香りを放つ酵母です。高級酒や吟醸酒に向いていて、新酒鑑評会などのコンクールで受賞する多くのお酒に使われている酵母です。
淡麗になりがちな五百万石を使用しているので、キリっと辛口な吟醸酒のようです。
酵母は協会18号酵母使用のため、華やかな香りを持っていそうですが、
五百万石との兼ね合い次第で、香りは多少セーブされているのかもしれませんね。
奈良豊澤酒造様はほぼ機械化をせずに手作りのお酒造りにこだわっています!
厚生労働省から「現代の名工」に選ばれた杜氏のカンと経験による手作りのお酒。
楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、華やか過ぎず心地よいフルーツの香り!
協会18号酵母のため、華やかなフルーツの香りを想定していましたが、
五百万石を使用することにより、心地よく綺麗に香るフルーツ、リンゴの香りです。
そのままお酒を口に運んでみると、
口当たりはお米の力強さを感じつつ、とてもサラサラして柔らかい!
精米歩合以上にお米感が強いイメージです。
お米の甘み、旨味、乳酸の酸味はありますが、
五百万石の影響か、想定よりスッキリ軽く飲みやすくなっています!
後味に吟醸酵母由来の苦みがありますが、スっと綺麗に消えていきます。
まとめ
今回は、
手作りへのこだわりのお酒「貴仙寿吉兆 純米吟醸」を飲んでみました。
フルーティな香りもお米の風味も強すぎず、スッキリと飲める辛口なお酒でした。
ただ、フルーツもお米の風味ももの足りないわけではなく、
この辺の調整が機械では難しい「現代の名工」のカンと経験による手作りの影響なのでしょうか。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「貴仙寿吉兆 純米吟醸」は、
華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプとなります。
フルーツの香りは強すぎず心地よく綺麗に香るため、普通に評価しました。
味も、お米の風味を感じられるが、スーっと爽やかに飲めるため、普通に評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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