皆さんは古酒というとどのようなイメージでしょうか。
熟成の香り、味が強く、紹興酒のようなお酒を想像するでしょうか。
実は、古酒でもフルーティさ、お米感など、熟成以外の風味を持つお酒もあります。
今日は、そんな古酒ながら他の風味も持っている1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「加賀ノ月 琥珀月 山廃純米吟醸」について
「加賀ノ月 琥珀月 山廃純米吟醸」については石川県酒造加越様の商品となります。
以下スペックです。
「加賀ノ月 琥珀月 山廃純米吟醸」
- 原材料名:五百万石※1
- 種類:純米吟醸(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):60%
- アルコール度数:15度
- 特記1:山廃とは、蔵にいる乳酸菌や天然の微生物を使用する昔ながらの製法である生酛造りから派生した製法です。生酛との違いは、お米が溶けやすくなるように酒母(お酒の酵母培養用の液体)を混ぜる作業を廃した製法です。生酛造りと同様に乳酸の酸味が強く、濃厚な味わいになりやすいです。
ラベルよりデータを参照
※1 五百万石は酒造りによく使用される酒造好適米(使用量2位)。繊細でスッキリ端麗な風味になりやすいです。米内の芯(心白)が大きいため、低精米歩合(50%以下)には向かないので、高級酒には不向きです。
山廃仕込みで純米吟醸で3年以上熟成させた古酒。
使用米は五百万石で結構精米されているので淡麗な風味にあるのでしょうか。
もう属性てんこ盛りで、どこの属性が強く出てくるのか楽しみですw
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、やはり色々絡み合った複雑な香り!
リンゴのようなフルーツの香り、ふくよかなお米の香り、山廃由来の乳酸の香り。
それらの香りを抑えての古酒の濃く香ばしい香り!
そのままお酒を口に運んでみると、柔らかく優しい口当たり。
熟成によりお酒の中の分子が安定して、とてもマイルドです。
味は、どっしり重量感のあるお米の甘みと旨味、糖分の甘み、
ボリュームのあるが柔らかい酸味、
熟成由来の旨味、吟醸酵母由来の苦みが、口内で立て続けに襲ってきます!
ただ、後味はフっと綺麗に消えていくので割と爽やかに感じます。
まとめ
今回は、
多属性持ちの古酒!「加賀ノ月 琥珀月 山廃純米吟醸」を飲んでみました。
熟成、フルーティ、お米、乳酸と色々な風味を楽しめるお酒でした。
その属性たちが群雄割拠してますが、なぜか後口は変に残らずスッキリでバランスがよいです。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「加賀ノ月 琥珀月 山廃純米吟醸」は、
熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプとなります。
色々の属性を持ってますが、やはり主は熟成であり、
その熟成香は強すぎずちょうどよく、他の属性も考慮して、強めに評価しました。
味も色々属性があり、それぞれボリューム感があり強いのですが、
後味は残らず綺麗に消えるので、強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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