日本酒のお水とお米の割合について、考えたことはありますか?
現在の一般的な日本酒は水1.2:米1で、
お米よりお水の方が多い状態となっています。
しかし、江戸時代後期では水1:米1で、均等の割合だったと言われています。
現代では濃厚さより、綺麗さが求められる傾向のため、
お水の割合を多くしたのかもしれませんね。
ただ、現代でも水1:米1で造っている酒造も存在します。
今日はそんな水1:米1の濃厚な日本酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「特別純米酒 十水」について
「特別純米酒 十水」については山形県加藤嘉八郎酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「特別純米酒 十水」
- 種類:特別純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):60%
- アルコール度数:15度
ラベルよりデータを参照
スペック的に一般的な特別純米酒です。
原材料として、飯米の「はえぬき」を使用しているので、
酒米とどのように違うのか興味があります。
加藤嘉八郎酒造様は、「クエスト4大山」でも飲んでいますが、
チャレンジングで面白いお酒が造っているイメージがある酒造です。
銘の「十水」は古来の製法「十水仕込み」のことで、
通常、水1.2:米1で水の量を多くして仕込むのですが、
十水仕込みは、水1:米1で仕込みます。
そのため、お米の存在感が増し濃厚なお酒となります。
コスト、手間がかかる伝統的な手法ですが、
現在限られた酒造でのみ行われています。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、ふくよかで丸みのある柔らかなお米の香り!
乳酸香も柔らかく、クリームチーズのような香りがします。
そのままお酒を口に運んでみると、柔らかくまったりした口当たり。
残糖、お米の風味が強いので、粘性がありとろーりとしたイメージ!
乳酸の酸味も分厚く、
甘み、酸味、旨味のそれぞれがしっかり力強いです!
まとめ
今回は、
水1:米1の濃厚酒!「特別純米酒 十水」を飲んでみました。
十水仕込みのため、香り、味ともにしっかり濃厚なお酒でした。
柔らかい口当たりもあり、さらに濃さをマシマシに感じるのかもしれません。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「特別純米酒 十水」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
十水仕込みによりお米の香りがしっかりしていて、強めに評価しました。
味は、お米の風味、残糖の甘みが強く粘性があり、
さらに乳酸も分厚いため、強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。

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