現在では冷やして飲む日本酒「冷酒」は一般的なものですが、
昔は日本酒は温めて飲むものだったようです。
冷酒自体は江戸時代から始まっていましたが、
一般的になったのは1970年代とだいぶ最近です。
冷蔵技術の問題などもあったようですね。
そんな中、80年前に冷酒の草分け的存在として誕生した「初孫銀嶺」という日本酒がありました。
そして近年、そのリバイバル商品が出ています。
今日は、そんな冷酒の草分け的なお酒のリバイバルを1本紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「初孫 出羽の里 純米 ニュー銀嶺」について
「初孫 出羽の里 純米 ニュー銀嶺」については山形県東北銘醸様の商品となります。
以下スペックです。
「初孫 出羽の里 純米 ニュー銀嶺」
- 原材料名:出羽の里※1
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):55%
- アルコール度数:15.5度
- 特記1:生酛とは、蔵にいる乳酸菌や天然の微生物を使用する昔ながらの製法です。山廃との違いは、お米が溶けやすくなるように酒母(お酒の酵母培養用の液体)を混ぜる作業を行います。(山廃の場合は行わない)山廃造りより乳酸の酸味が強く、濃厚な味わいになりやすいです。
ラベルよりデータを参照
※1 出羽の里は山形県の酒造好適米です。米内の芯(心白)が大きく、高精米の高級酒には向きませんが、雑味が少なく、お米の旨味をしっかりと感じられるお酒になります。純米酒、お燗に合うお酒になりがちです。
スペック的に高精米の生酛純米酒です。
お米の旨味強い出羽の里を使用しているので、
高精米でもしっかりお米の風味が出ていると思います。
東北銘醸様は初孫「雪色ぽえむ」でも飲んでいますが、
生酛造りにこだわり、全量生酛造りの酒造です。
今回のニュー銀嶺は、
80年前に誕生した冷酒の草分け的な存在だった「初孫銀嶺」のリバイバルとなります。
「初孫銀嶺」は飲んだことありませんが、
80年前の伝承の味、楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、生酛だけあって濃厚な乳酸の香り!
濃いめのヨーグルトのような強さを感じます。
そこに柔らかいお米の香りも出ています。
そのままお酒を口に運んでみると、軟水の柔らかい口当たり。
味も香りと同様に、
お米の柔らかくふくよかな風味、乳酸のヨーグルトな酸味。
後味は、乳酸の酸味が強いため、キレよくスッキリした印象を与えます。
まとめ
今回は、
冷酒の草分けのリバイバル!「初孫 出羽の里 純米 ニュー銀嶺」を飲んでみました。
生酛なので濃い乳酸で、柔らかいお米の風味もあるヨーグルトなお酒でした。
後味は酸味でスッキリし、どんどん飲めるお酒です。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「初孫 出羽の里 純米 ニュー銀嶺」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
濃厚な乳酸、柔らかいお米の香りもあり、
強めとしました。
味は柔らかい口当たりで、乳酸、お米の風味もしっかりありますが、
酸味が強くスッキリと飲めるため、強めとしました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。

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