今回はちょっと専門的な話になってしまうのですが、
日本酒の仕込みは、一般的には、原料を3回に分けてタンクに加えていき、発酵させていきます。
ただ、造りたいお酒によってその仕込み方法は変わっていく場合があります。
今回の日本酒は、よりお米の風味を強く、複雑な味にするため、
三段仕込みでなく、
「もち米四段仕込み」という仕込み方法を採用している酒造の1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「勢正宗 純米吟醸」について
「勢正宗 純米吟醸」については長野県丸世酒造店様の商品となります。
以下スペックです。
「勢正宗 純米吟醸」
- 種類:純米吟醸(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):59%
- アルコール度数:15度
ラベルよりデータを参照
スペック的には一般的な純米吟醸ですが、
丸世酒造店様は伝統の製法「もち米四段仕込み」を受け継いでいる酒造です。
「もち米四段仕込み」とは仕込みの製法で、
一般的な仕込みでは、酒母、水、麹、蒸し米を3回に分けて加えて仕込み、
アルコール発酵させていきます。
「もち米四段仕込み」では、その3回目を加えた後に、
さらに4回目として蒸したもち米を加える製法です。
4回目を加えることにより、お米の風味が増し、
さらに、発酵を促進しより複雑なお酒になります。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、ハチミツがけのリンゴのような香り!
フルーツの香りに甘く濃厚な風味が足されています。
そして、柔らかいお餅の香り!
「もち米四段仕込み」によりお餅の風味が加算されているようです。
そのままお酒を口に運んでみると、柔らかい口当たり。
味はやはりお米、お餅の濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。
ただ、後からタンニンのような渋みが出てきて、
甘みをしっかり切ってくれるので、ずっと甘々な印象ではないです。
原材料の表記ないですが、美山錦を使用しているのでしょうか?
(自分的に、美山錦は後味に少しタンニンのような渋み、苦みが出てくる感じ)
まとめ
今回は、
伝統のもち米四段仕込み!「勢正宗 純米吟醸」を飲んでみました。
「もち米四段仕込み」の通り、お餅の柔らかく濃厚な風味が出ているお酒でした。
ベースのフルーツに合わさり、まさにハチミツりんごのお酒です。
後味にタンニンも出てくるので、終始甘々すぎることはなく、バランスが取れていると思います。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「勢正宗 純米吟醸」は、
華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプとなります。
濃厚なハチミツかけリンゴの香りが主で、強めに評価しました。
味は、柔らかい口当たりで、
お米、お餅の甘みが濃厚ですが、後味のタンニンが甘みを切ってくれて、
終始甘すぎることはなく、強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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