皆さんはたれくち酒を知っていますか?
一般的に日本酒は絞った後、
濾過、火入れ、加水、貯蔵などの後工程があり、出荷されます。
しかし、それらの後工程を省いて出荷されるお酒があります。
無濾過生原酒、そして大多数のたれくち酒です。
無濾過生原酒はその名の通り、濾過、火入れ、貯蔵しないお酒と言う意味で、
たれくち酒は日本酒を絞った際に垂れてきたお酒を取ったものです。
なので、たれくち酒と無濾過生原酒はニアリーイコールですが、
全く同じではありません。
(現にたれくち酒だが、垂れたお酒を取った後、後工程する場合もあります)
今日は、そんなたれくち酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「城陽 たれくち酒 無濾過生原酒」について
「城陽 たれくち酒 無濾過生原酒」については京都府城陽酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「城陽 たれくち酒※2 無濾過生原酒」
- 原材料名:五百万石※1
- 種類:普通酒(アルコール添加あり)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):65%
- アルコール度数:19度
- 特記1:無濾過生原酒とは、日本酒を絞った後の工程(濾過、火入れ、貯蔵、加水)を行わない日本酒です。絞ったままの日本酒の風味を味わえます。品質管理が難しく昔は流通できませんでしたが、技術発展により流通できるようになりました。
ラベルよりデータを参照
※1 五百万石は酒造りによく使用される酒造好適米(使用量2位)。繊細でスッキリ端麗な風味になりやすいです。米内の芯(心白)が大きいため、低精米歩合(50%以下)には向かないので、高級酒には不向きです。
※2 たれくち酒とは、日本酒を絞る際に、圧力をかけたときに槽(ふね)から垂れてきたお酒を直接取ったものです。濾過、火入れなどの後処理は行わないので、濃厚でアルコールが強く、そのお酒本来の風味となります。本来は、その蔵でしか飲めない贅沢なお酒です。
スペック的にアルコール度数の高い無濾過生原酒です。
五百万石を結構精米しているため、
綺麗な淡麗なお酒のイメージもありますが、
たれくち酒でアルコール度数19度、無濾過なので、
この辺がどのように影響するか楽しみです。
城陽酒造様は、
「お米本来の味わいを残しつつ飲み飽きしない食中酒」を目標とし、
美感遊創(美しく感性に訴えるところがあり、遊びがあって独創性を持っているもの)を
コンセプトとしています。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、滑らかなアロエヨーグルト!
生酒の青い香りと乳酸の香りがしっかり出ています。
糖分も多いのか甘い香りも混じっていて、
砂糖入りのヨーグルトとなっています。
そのままお酒を口に運んでみると、軟水のためとても柔らかな口当たり!
お米の甘み、糖分の甘みがアルコールによりブーストがかかっていて、
強く濃い甘みを感じます!
アルコールの苦みも強く、とても刺激的な風味です。
後味に生酒の苦みが加わり、
短めだが力強い印象です。
淡麗で綺麗なお酒になりがちな五百万石でも、
たれくち酒だとこんなにパワフルなお酒になるのは衝撃的です!
まとめ
今回は、
蔵でしか飲めないたれくち酒!「城陽 たれくち酒 無濾過生原酒」を飲んでみました。
アルコールにより、甘み、苦みをパワフルに感じられるお酒でした。
五百万石、軟水でも、たれくち酒だとここまで力強くなるのは衝撃でした!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「城陽 たれくち酒 無濾過生原酒」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
生酒、乳酸、糖分の香りがしっかりあり、普通に評価しました。
味は五百万石、軟水だが、
アルコールにより甘み、苦みがパワフルで刺激的になり、
強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。

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