昔から「灘の男酒、伏見の女酒」と言われています。
こちらは、
・兵庫灘のお酒は硬水を使用し、力強いお酒になりやすい。
・京都伏見のお酒は軟水を使用し、柔らかいお酒になりやすい。
と、使用するお水により出来上がるお酒の傾向の違いを表しています。
ただ世の常ですが、必ずしも綺麗に分けられるわけではありません。
必ず異端児は誕生するものです!
今日は、あまり女ぽくない女酒を1本紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「招徳 特別純米 京の輝き 無濾過生原酒」について
「招徳 特別純米 京の輝き 無濾過生原酒」については京都府招徳酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「招徳 特別純米 京の輝き 無濾過生原酒」
- 原材料名:京の輝き※1
- 種類:特別純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):70%
- アルコール度数:18度
- 特記1:無濾過生原酒とは、日本酒を絞った後の工程(濾過、火入れ、貯蔵、加水)を行わない日本酒です。絞ったままの日本酒の風味を味わえます。品質管理が難しく昔は流通できませんでしたが、技術発展により流通できるようになりました。
ラベルよりデータを参照
※1京の輝きとは、京都府の酒造好適米です。大粒でたくさん収穫でき、スッキリした香り、まろやかな味わいが特徴です。
昔から「灘の男酒、伏見の女酒」と言われるように、
京都、特に伏見のお酒は軟水を使い、口当たりは柔らかく飲みやすい特徴があります。
(招徳酒造様は京都伏見の酒造です)
ただ、アルコール度数が高いので、それが伏見の女酒にどのような影響を与えるのか
楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、強くしっかりしたお米の香り!
乳酸の香り、生酒由来の青い香りもありますが、お米の存在感が大きいです!
そのままお酒を口に運んでみると、
口当たりは伏見の女酒らしく、柔らかめでスーっと入っていきますが、
すぐにアルコールの苦みが口内にドバっと広がり、舌をガンガンに痺れさせます!
そして、甘み、酸味がきますが、
京の輝きのスッキリさはちょっと隠れがちで、甘みを強く感じます!
おそらく、アルコール度数が高いため、甘みがブーストしてるからかと思います。
また、飲み込む際に少し引っ掛かる感じがあります。
木樽を使用しているのか、それ由来のタンニンのえぐみが少しあるのかもしれません。
後味は、アルコールの苦みと乳酸の酸味が長めに残っていきます。
まとめ
今回は、
京都伏見の女?酒「招徳 特別純米 京の輝き 無濾過生原酒」を飲んでみました。
伏見の軟水を使用し口当たりは柔らかいですが、
しっかりしたお米の香りとアルコールの強さで、パワフルな一面も持つお酒でした。
猫をかぶってはいるけど、隠しきれないパワフルな本性も垣間見えるという感じでしょうかw
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「招徳 特別純米 京の輝き 無濾過生原酒」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
乳酸の香り、生酒由来の青い香りもありますが、
やはりお米の香りがしっかり強く、強めに評価しました。
味は、アルコールの刺激、苦みが強く、
さらにアルコールの影響で甘みが強化されているため、強いに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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