皆さんは熟成酒は飲んだことはありますか?
酒屋さんに行っても売っていることが少ないので、飲んだことある人は少ないと思います。
造った日本酒をさらに数年寝かせるという手間、維持費がかかり、
基本的には普通の日本酒より割高となり、高級酒となることも多いです!
ただ、その工程を得ているからこその香り、味の変化はあると思います!
今日は、そんな積み重なった時間の価値を持つお酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「熟成 蔵守 2017年醸造生酛純米吟醸」について
「熟成 蔵守 2017年醸造生酛純米吟醸」については東京都小澤酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「熟成 蔵守 2017年醸造生酛純米吟醸」
- 原材料名:五百万石※1
- 種類:純米吟醸(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):55%
- アルコール度数:16度
- 特記1:生酛とは、蔵にいる乳酸菌や天然の微生物を使用する昔ながらの製法です。山廃との違いは、お米が溶けやすくなるように酒母(お酒の酵母培養用の液体)を混ぜる作業を行います。(山廃の場合は行わない)山廃造りより乳酸の酸味が強く、濃厚な味わいになりやすいです。
ラベルよりデータを参照
※1 五百万石は酒造りによく使用される酒造好適米(使用量2位)。繊細でスッキリ端麗な風味になりやすいです。米内の芯(心白)が大きいため、低精米歩合(50%以下)には向かないので、高級酒には不向きです。
2017年醸造の生酛純米吟醸酒を5年間寝かせたお酒です(購入したのは2022年)
生酛ということで乳酸の酸味が強そうで、さらに純米吟醸なのでフルーティな香りもありそうです。
お米の風味は吟醸、精米歩合が低めのため、少な目かもしれません。
それの熟成酒ということで、色々な要素が組み合わさった複雑なお酒のようです。
熟成することで、お酒にどのような要素が追加されるか楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
まずお酒の色ですが、熟成されているため薄く綺麗な黄金色となっています。
封を開けて匂いを嗅いでみると、ねっとり香ばしさのある甘い香り!
軽くフルーツの香りもあり、熟したリンゴにハチミツをかけたような香りです。
そして、少し漬物のような香りもあり、こちらも熟成の影響ですね。
そのままお酒を口に運んでみると、濃厚でとろみのある甘み!
それと、プリンの黒い部分のカラメルのような苦みのある香ばしさも強いです!
なるほど、これが熟成の風味なんですね。
甘みと香ばしいさで口内が一杯になりますが、ボリュームのある乳酸の酸味もあるので、
割とスッキリ飲み続けることができます!
後味は、上記の色々な要素が長く残り続けていきます!
まとめ
今回は、
5年間積み重なったお酒「熟成 蔵守 2017年醸造生酛純米吟醸」を飲んでみました。
スペックの通り、熟成、生酛、吟醸と色々な要素が組み合わさった複雑な風味のお酒でした。
その中でもとりわけ熟成の風味がやはり強く、ねっとり、香ばしい、甘いが主要素となりそうです。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「