皆様はお酒造りのシーズンについて、知っていますか?
冷却設備がない時代、お酒造りは寒い時期に行っていました。(寒造り)
お酒を発酵させるためには10度以下の環境が必要なため、寒い時期でないと造れなかったわけです。
現在もその寒造りの伝統を引き継いでいる酒造も多々あります。
また、大企業の場合では一年中冷却設備を稼働させて、常にお酒造りを行っています。
そこまでは出来なくても、寒造り以外の時期にもお酒造りをしている酒造もあります。
今日は、そんな寒造り以外の時期にもお酒造りしている蔵の1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「武勇 辛口純米」について
「武勇 辛口純米」については茨城県株式会社武勇様の商品となります。
以下スペックです。
「武勇 辛口純米」
- 原材料名:五百万石※1
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):63%
- アルコール度数:15度
ラベルよりデータを参照
※1 五百万石は酒造りによく使用される酒造好適米(使用量2位)。繊細でスッキリ端麗な風味になりやすいです。米内の芯(心白)が大きいため、低精米歩合(50%以下)には向かないので、高級酒には不向きです。
五百万石を使用しているので、多少淡麗なイメージな純米酒という感じでしょうか。
株式会社武勇様のこだわりとして、
丁寧に三季(9月~4月)使ってお酒造りをするようなので、
(伝統のお酒造りの場合は一季(冬)のみを使用してお酒造りをしていました。)
じっくり一本一本に時間をかけてのお酒造りの成果、楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、焦がしたお餅のような濃いお米の香り!
お米の香りの他に、熟成酒のような香ばしさもほのかに感じます。
じっくり時間をかけてのお酒造りにより、熟成感も出てきています!
そのままお酒を口に運んでみると、
ふくよかで濃厚なお米の風味がグワーッと押し寄せます!
骨太なお米の甘み、旨味がぎっしり詰まっていて、純米酒好きにはたまらないです!
後味には、酵母由来のコハク酸(貝汁を飲んだ後味のような風味がある)の旨味も出てきて、
じわーっと長く残っていきます。
まとめ
今回は、
じっくり丁寧な三季醸造!「武勇 辛口純米」を飲んでみました。
濃厚なお米の風味とじっくり寝かせた熟成香、後味のコハク酸の旨味があり、
複雑な風味を感じるお酒で、純米酒好きにはたまらない1本です。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「武勇 辛口純米」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
濃厚なお米の風味とほのかに薫る熟成香があり、強めに評価しました。
味もお米の風味がぎっしり詰まっていて、後味にコハク酸の旨味も感じるため、
強いに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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