皆さんは「金魚酒」という言葉は聞いたことがありますか?
金魚をお酒の中に入れても大丈夫なほど薄いお酒のことです。
日中戦争時、物資不足によるお米不足、
また、税金対策(加水によるかさ増し)のため、
そのような薄い酒を造る酒造もあり、世に出回ってしまっていました。
しかし、そのような改悪はせず真摯にお酒を造り続けた酒造もありました。
今日はそんな真っ直ぐな日本酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「蓬莱 無修正の酒」について
「蓬莱 無修正の酒」については岐阜県渡辺酒造店様の商品となります。
以下スペックです。
「蓬莱 無修正の酒」
- 原材料名:ひだほまれ※1
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):68%
- アルコール度数:17%
ラベルよりデータを参照
※1 ひだほまれは岐阜県の酒造好適米です。大粒でタンパク質が少なく、米内の芯(心白)の発現率も高いので、バランスの取れた風味のお酒になりがちです。
スペック的にはアルコール強めな純米酒です。
「無修正の酒」という言葉に包まれているように、
渡辺酒造店様は、戦争中で物資不足の中でもお酒を水で薄めるなどの改悪はせず、
真摯にお酒を出荷して、当時のお客様に大変喜ばれたそうです。
そのため、戦乱で世が乱れても、決して噓偽りない真っすぐな酒造りをすべし
という家訓が現在でも守られ続けています。
この「無修正の酒」は、その創業原点の純米酒です。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、もわっと漂う甘く香ばしい麹の香り!
お米の風味をたっぷり感じられます。
そのままお酒を口に運んでみると、スムースに入っていきます。
お米のふくよかな旨味が口内でふくらみ、
乳酸の酸味も強く、スッキリと飲めます。
アルコール度数が高いため、アルコールの苦みも強く、
後味まで、各要素がじっくり残っていきます。
まとめ
今回は、
噓偽りない真っ直ぐな酒!「蓬莱 無修正の酒」を飲んでみました。
甘く香ばしい麹の香り漂う、お米の風味たっぷりのお酒でした。
また、乳酸、アルコールも強いので、スッキリさ、苦みなどお米の要素以外もたっぷりです。
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「蓬莱 無修正の酒」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
甘く香ばしい麹の香りがあり、お米の風味がたっぷりで、強めに評価しました。
味もお米の旨味がぎっしりしていますが、
アルコールの苦み、乳酸の酸味も強く、爽やさもあるため、強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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