かつて微生物の存在がまだ認識されていない時代。
日本酒の酵母は酒造の中にいる天然の酵母が使用されていました。
(もちろん、まだ酵母は認識できていないので、勝手にお酒ができていたという感覚だったかと思いますが)
その後、化学発展で微生物が認識され、酒造りに適する酵母が発見、選定、拡散されました!
そして現代、花からも酵母が取れないかという研究が行われ、花酵母が続々と発見されています。
今日は、そんな花酵母を使用した1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「天吹 秋に恋する純米」について
「天吹 秋に恋する純米」については佐賀県天吹酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「天吹 秋に恋する純米」
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):65%
- アルコール度数:15度
ラベルよりデータを参照
スペックより、典型的な純米酒としか分からないです。
「秋に恋する」とあるのでおそらくひやおろし※1で、落ち着いた風味に造られている気がしますが。
それと、天吹酒造様は花酵母※2を使用する蔵なので、今回も使用されているのではないかと。。
※1 ひやおろしとは、春に造ったお酒を秋まで半年間貯蔵し、出荷時には火入れを行わないお酒です。(貯蔵前には火入れを行います。)落ち着いた香り、口当たりはまろやかになる一方、火入れは一回のため、生の風味も残していることがあります。
※2 花酵母とは、自然界の花から造られた天然の酵母です。花の蜜や果実を思わせるフルーティな香り、爽やかさがあります。ナデシコやサクラなど多種の酵母があり、日に日に種類は増えています。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、軽く穏やかな果実の香り。
何の花酵母が使われているかは分かりませんが、バナナ系の甘みのあるフルーツのようです!
そして、ひやおろしの落ち着いたお米の香りも感じます。
フルーティな香り、お米の香りはどちらもほのかで主張は強くなく、肴は選ばないでしょう!
そのままお酒を口に運んでみると、
花酵母の影響か、とても爽快でどんどんお酒が進んでいきます!
お米の甘みも旨みもしっかりありますが、強すぎず、ひたすら飲みやすいです!
後味に花酵母由来の苦み(吟醸酵母と同様)を少し感じますが、杯が止まらなくなるお酒です。
まとめ
今回は、
花から生まれたお酒「天吹 秋に恋する純米」を飲んでみました。
スペックからだと典型的な純米酒としか分かりませんが、
花酵母を使用し、軽く穏やかな果実の香りを感じました。
そして、落ち着いた香りがある一方、味は爽快で杯が止まらなくなりました!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「天吹 秋に恋する純米」は
華やかではないですが、軽く穏やかなフルーツの香りが主となっていて、
華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプとなります。
香りは花酵母、お米ともに軽く穏やかのため、弱いに評価しました。
味も香り同様強すぎず爽やかに飲めるため、普通としました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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