現在、日本酒の酒造は経営が成り立たず廃業してしまう蔵も多いと聞きます。
何百年という老舗でも、破綻し廃業を余儀なくされています。
また、今は新たなに酒造免許を取得することはできないので、
このままでは日本酒の生存の危機になるかもしれません。
そんな状況下でも、小さい蔵で少量のお酒を醸してがんばっている蔵も多いです。
今日は、そんな小さい蔵の頑張り続けている1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「美寿々 辛口純米 生原酒」について
「美寿々 辛口純米 生原酒」については長野県美寿々酒造様の商品となります。
以下スペックです。
「美寿々 辛口純米 生原酒」
- 原材料名:美山錦※1
- 種類:純米(お米100%)
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):59%
- アルコール度数:17度
- 特記1:原酒とは、お酒を絞った後に調整のための加水を行っていないお酒です。アルコール度数が強めになりがちです。
ラベルよりデータを参照
※1 美山錦とは、長野県、東北地方の酒造好適米です。生産量は山田錦、五百万石に次ぐ第3位です。粒は大きく、スッキリ淡麗の味わいのお酒になりがちです。後味に少し苦みが出ることがあります。
美山錦を59%まで精米しているので、淡麗な純米酒というイメージでしょうか。
生原酒であるため、生酒の風味とアルコールの強さが合わさり、どうなるのでしょうか。
また、美寿々酒造様は信州の片田舎の小さな酒造で、あまり量的には醸せないようですが、
空気や水などの自然環境には恵まれているようです!
そのレアで恵まれたお酒、楽しみです!
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、スーっとする生酒由来の青い香り!
お米の香りもありますが、
それを覆ってしまうほどのの清浄な香りは、恵まれた自然由来なのでしょうか。
そのままお酒を口に運んでみると、
香りでは隠れがちなお米の風味がしっかりとあり、
白飯を食べている感覚になります!
原酒でアルコール度数が強いため、お米の風味がブーストしていて、
お米の甘み、旨味が口内いっぱいに広がっていきます!
ただ、そのアルコールの強さのためか舌の痺れも強めです。。
後味には、アルコール、美山錦由来の鋭い苦み、乳酸の酸味がしっかり来て、
口の中をスッキリさせてくれます!
まとめ
今回は、
小さな蔵の旨口純米「美寿々 辛口純米 生原酒」を飲んでみました。
清浄な雰囲気のある生酒由来の青い香り、
強アルコールによりブーストしたお米の風味、
後味の乳酸によるスッキリさ、と色々な要素が絡み合うお酒でした。
かなり手の込んだ造りをしているのかもしれません(醸造についてあまり分からないですが。。。)
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「美寿々 辛口純米 生原酒」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
スーっと清浄な青い香りが主ですが、お米の香り等は控えめなため、弱めに評価しました。
味も、お米の風味がアルコールにより強化されていますが、
後味の乳酸がスッキリとさせてくれるため、普通に評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。
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