皆さんは普通酒について、どのようなイメージがありますか?
安酒、飲みにくい、アルコール臭い。。
あまりよいイメージは持ってないかもしれませんね。
ただ、中にはしっかり個性的で美味しい普通酒ももちろん存在します。
以前に飲んだ「賀茂鶴 蔵生」のようなヨーグルト風普通酒。
そして、それとは別の個性を持つ普通酒もあります。
今日はそんなオーガニックな普通酒1本を紹介してみます!
サラリーマン唎酒師の酔いどれ紳士が実際に飲んでレポートしてみました!
是非、今宵のお酒のヒントとなれば幸いです!

「雪の茅舎 奥伝山廃」について
「雪の茅舎 奥伝山廃」については秋田県齋彌酒造店様の商品となります。
以下スペックです。
「雪の茅舎 奥伝山廃」
- 種類:普通酒
- 精米歩合(玄米の重量に対する白米の重量の割合):65%
- アルコール度数:15度
- 特記1:山廃とは、蔵にいる乳酸菌や天然の微生物を使用する昔ながらの製法である生酛造りから派生した製法です。生酛との違いは、お米が溶けやすくなるように酒母(お酒の酵母培養用の液体)を混ぜる作業を廃した製法です。生酛造りと同様に乳酸の酸味が強く、濃厚な味わいになりやすいです。
ラベルよりデータを参照
※1 普通酒とは、純米酒や吟醸酒や本醸造酒などの特定名称酒の基準を満たさないお酒です。条件として、醸造アルコールが総重量の10%を超える、お米の等級(3等未満)、麹の使用割合が15%未満があります。
スペック的に珍しい山廃造りの普通酒です。
精米歩合が低いので、山廃でありながら綺麗なお酒かもしれません。
齋彌酒造店様は、微生物の環境を大切にしている酒造で、
酒造として、初めてオーガニック認定を受けています。
微生物を大切にする酒造の山廃仕込み、
どのような風味なのか楽しみです。
実際に飲んでみましょう
さて、
封を開けて匂いを嗅いでみると、ふくよかで丸みを帯びたお米の香り!
そして、山廃由来の乳酸香もあり、ザワークラウトを思わせます。
精米歩合が低いからか、どちらの香りも強すぎず、
上品に香っていきます!
そのままお酒を口に運んでみると、秋田県の軟水の柔らかい口当たり。
香りと同様に、
味もお米の甘み、旨味、乳酸の酸味は上品にサラリとしています。
多少、アルコール添加の苦みがありますが、気にならないです。
後味は、甘み、酸味がじわじわと残り続けます。
ちなみに、お燗(上燗~熱燗)にすると、
ナッツのような熟成香が出てきて、乳酸のボリュームが増してくるので、
お薦めです。
まとめ
今回は、
オーガニック普通酒!「雪の茅舎 奥伝山廃」を飲んでみました。
珍しい山廃造りの普通酒で、
お米、乳酸の風味はしっかりありますが、精米歩合が低く、上品なお酒でした。
お燗にすると熟成の風味も出てきて、また違った顔を見せるのも面白いです!
最後に日本酒の風味分類を行います。
(日本酒の風味分類の詳細についてははじめにの「日本酒の風味分類について」をご参照ください。)
後々にこの日本酒がどのような風味なのか思い出すのに役に立ってもらえるでしょう。
日本酒には以下のタイプがあります。
- 華やかなフルーツの香りを持つフルーティタイプ
- 昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプ
- 熟成させて熟成香が出てきたエイジングタイプ
今回の「雪の茅舎 奥伝山廃」は、
昔ながらのお米、乳酸の香りが強いオリジナルタイプとなります。
お米、乳酸の香りがしっかりしていますが上品で、
お燗にすると熟成香も出てくるので、強めに評価しました。
味も香り同様お米、乳酸の風味はしっかりありますが、
上品でサラリとしているため、強めに評価しました。

以上、ご閲覧ありがとうございました。
皆様の今宵のお酒のヒントになれたら幸いです。

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